Cyber Clean Center サイバークリーンセンター
サイバークリーンセンター活動実績
注意喚起活動実績
前月までの注意喚起活動実績
2007年5月度の注意喚起活動実績
6注意喚起数について、当月の注意喚起対象者に前月以前の対象者との重複があった場合であっても、重複を考慮せず算出している。
  累計については、期間を問わず対象者の重複は省いた数値である点に注意。
ボットウイルス等の収集状況
おとりマシン(ハニーポット)によって収集したボットウイルス等の検体を1日分を収集し終えた後、市販のウイルス対策ソフトにて、まとめてスキャンを実施し、検出可検体(Detectable)、不可検体(Undetectable)を分類している。
ウイルス対策ソフトで検出されないボットウイルスに関しては、バイナリのハッシュ値が同じもののみを同種として扱う。
1 ウイルス対策ソフトで検出可、不可のボットウイルス等の検体収集数の推移
収集検体数の推移
収集検体数
収集検体数の推移グラフ
[調査対象期間:2007/03/01/〜2007/05/31]
収集検体数は3月以降全体として増加傾向にある。またウイルス対策ソフトで検出できない検体(赤で示す)も増加傾向にある。

また増減の周期は1週間であり、毎週末に増加し、平日に減少している。これは感染している個人パソコンが週末に多く利用される(=ネットワークに接続している)からではないかと考えられる。
収集検体種類数の推移
収集検体種類数
収集検体種類数グラフ
[調査対象期間:2007/03/01/〜2007/05/31]
収集検体種類数の推移は、収集検体数の推移に比べるとその割合は小さいものの、若干の増加傾向にある。

ウイルス対策ソフトで検出できない検体(赤で示す)については、全体として増加傾向にある。また3/31(土)と4/20(金)にピークが見られている(ピーク値はそれぞれ367、328)。このうち3/31(土)については現時点で詳細は不明であるが、4/20(金)についての分析結果は次のようになっている。

4/20(金)に収集した、ウイルス対策ソフトで検出できなかった検体328種のうち、70%を占める230種は、自身のプログラムコードの一部を暗号化することによって、それぞれ異なるハッシュ値を持つがファイルサイズは同じという特徴があり、実質的には同一種である。この特徴はウイルス対策ソフトによるパターンマッチングを回避するためと考えられ、いわゆる典型的な「ポリモーフィック型」のボットウイルスと思われる。

なお、これらの230種のうち、1種は5/25(金)以降、TROJ_DROPPER.CDRとして検出され、残りのうち228種は4/25(水)以降、WORM_CHELI.Aとして検出されている。
用語 ポリモーフィック型ウイルス
「ポリモーフィック(polymorphic)」とは「多様な形態、様式、性質を持った状態」を表す形容詞で、生物学の用語として「同じ生物種でありながら遺伝子型の異なる個体が存在する状態」を指す。現在ではコンピュータウイルスに対しても用いられ、同じウイルスでも毎回異なるウイルスに感染しているように見せるためにコードが暗号化されているものを指すようになった。

CCCでもこのような「ポリモーフィック」型のボットウイルスを捕獲している。特にWORM_ALLAPLE.*の感染活動は活発で、3月から5月末までの期間に約13,000のWORM_ALLAPLE.Aと約22,000のWORM_ALLAPLE.Cの検体を捕獲している。
検出不可検体の比率
検出/非検出比率
検出/非検出比率グラフ
[集計対象期間:2007/05/01/〜2007/05/31]
ウイルス対策ソフトで検知できなかった割合(赤で示す)は3月以降、増加傾向にあり、グラフに示すとおり2007年5月では1/4近くに達している。
2 検出ボットウイルス等の分析
検体種類別比率
検出/非検出比率
検出/非検出比率グラフ
ボットウイルス種類名(収集数)
ボットウイルス種類名(収集数)凡例
※収集数上位20位までと
それ以下(other)に関する集計
[集計対象期間:2007/05/01/〜2007/05/31]
ウイルス対策ソフトにて検出が可能だったボットウイルス等についての内訳は上図の通り。ファイル感染型(PE_*)が上位5種のうち3種を占めている。ファイル感染型は一般的に発見が難しく、また検出しても駆除が困難という特徴がある。
上位5検体の動向観測
ボットウイルス動向観測
ボットウイルス動向観測グラフ
[集計対象期間:2007/05/01/〜2007/05/31]
定常的に(長期間に渡って)感染活動を継続するものが多い中で、数日間だけ爆発的に活動を活発化して、すぐに消えてしまったTROJ_POEBOT.XRの動向が際立っている。その仕組みなど技術的な詳細については現時点で調査中である。
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