6.1 著作権侵害・主な違法行為

インターネットを利用する上で、著作権を侵害する行為は違法であり、処罰の対象となりますので注意が必要です。

内部へリンク(1)著作権侵害の事例

著作権を侵害していると認識されていないことが多い違法行為として、以下が挙げられます。

  • P2Pファイル共有ソフトの利用
  • 歌詞などの著作物の掲載
  • 音楽の一部引用
  • 楽曲のコピー演奏の公開
  • 海賊版の作成および頒布


(1)著作権侵害の事例

著作権侵害は違法行為として処罰の対象となります。下記の事例からわかるように、著作権侵害行為により実際に逮捕され、罰金の支払いや損害賠償金等の支払いが命じられます。

記載の例ではヘビーユーザを例にしていますが、ライトユーザでも50万円以上損害賠償金で和解した例もあります。ファイル共有ソフトも秘匿性があるというのは、間違った考えで、どのIPで、どの侵害コンテンツを所有していたということは、簡単に判明すると共に記録されています。「自分は大丈夫」という安易な考えで続けることは、大きな代償を伴うことになります。

1)罰金50万円の判決
インターネットオークションで海賊版音楽DVDを販売していた2人の男性が逮捕。それぞれ罰金80万円および罰金50万円の判決。(2010年8月)
2)総額5,381,280円の損害賠償金および遅延損害金の支払い
P2Pファイル共有ソフトWinMXを使って著作権を侵害した音楽ファイルをアップロードした男性に対し、総額5,381,280円の損害賠償金および遅延損害金の支払いを命じる判決。(2010年7月)
3)懲役1年、執行猶予2年の判決
著作権を侵害した多数の音楽ファイルを海外のストレージサイトMediaFireにアップロードし、自動リンク集の無料レンタルサービスALINKを使って開設したサイト「曲貼り精鋭達のたまり場」で違法な音楽配信を行っていた男性が逮捕。懲役1年、執行猶予2年の判決。(2010年5月)
4)100万円の損害賠償金
P2Pファイル共有ソフトWinMXを使って著作権を侵害した800を超える音楽ファイルをアップロードした2名が、今後二度と同様の権利侵害をしない旨の誓約書を提出し、それぞれ約100万円の損害賠償金を支払うことで著作権管理団体と和解成立。(2009年9月)

【参考資料】
外部へリンク一般社団法人 日本レコード協会
外部へリンク放送コンテンツ適正流通推進連絡会


(2)気をつけたい違法行為

著作権侵害であると認識されていないことが多い違法行為を以下に紹介します。

1)P2Pファイル共有ソフトの利用
P2Pファイル共有ソフトそのものは違法なものではありませんが、それらのソフトウェアによるP2Pネットワークには著作権を侵害した「違法ファイル」が数多く存在していることが知られています。P2Pネットワークの性質上、ファイル共有ソフトを動かしているパソコンが違法ファイルの送信にも使われることから、P2Pファイル共有ソフトを利用していると、あなた自身が直接ダウンロードしたファイル以外のファイルも、あなたが知らないうちに送受信されます。そのため、ファイル共有ソフトを利用すること自体が、違法コンテンツの送信という違法行為と見なされる可能性があるのです。

なお、P2Pファイル共有ソフトには以下のようなものがあります。
Winny(ウィニー)
Winnyp(ウィニーピー)
Share(シェア)
Shareaza(シェアーザ)
Perfect Dark(パーフェクトダーク)
Profes(プロフェス)
StealthNet(ステルスネット)
WinMX(ウィン エムエックス)
Gnutella(グヌーテラ、ニューテラ)
LimeWire (ライムワイア、ライムワイヤ)
Cabos(カボス)
BitTorrent(ビットトレント)
BitComet(ビットコメット)
eDonkey(イードンキー)
eMule(イーミュール)
Kazaa(カザー)
Napster(ナップスター)
2)歌詞などの著作物の掲載
ブログなどに歌詞や小説などを全文掲載するといった「引用」の範囲を超えた行為は著作権の侵害に当たります。
3)音楽の一部引用
15秒以内であれば自由に使ってよいとする「15秒ルール」があるとされていますが、そのようなルールは存在しません。少しでも利用すれば著作権侵害に当たります。
4)楽曲のコピー演奏の公開
他人の著作物である楽曲を自分で演奏したり、歌ったりしている音声データや映像データを動画投稿サイトに投稿したり、ブログで公開したりする行為は違法です。
しかし、著作権保有者や著作権管理団体と契約している投稿サイトの場合は別です。例えば、ニコニコ動画やYouTubeは日本音楽著作権協会(JASRAC)などの著作権管理団体と包括契約を結んでいるので、その著作権管理団体が管理している楽曲であれば、自分で演奏したり歌ったりしている動画を投稿することは合法とされます。もちろんこの場合も、CD音源やプロモーションビデオなどをそのまま投稿することは違法です。またCD音源のカラオケに自分の歌を乗せたものも違法になります。
利用している投稿サイトがどの著作権管理団体と包括契約を結んでいるかは、利用している投稿サイトのFAQを確認してください。
外部へリンクニコニコ動画「動画のアップロードについて」
外部へリンクUSTREAMで配信する前に
5)海賊版の作成および頒布
次のような行為は、海賊版の作成および頒布と見なされます。
コピーしたソフトをオークションで販売
コピーしたソフトを友人にあげる(無料でも違法)
友人のパソコンにインストールしてあげる(無料でも違法)

また、海賊版の購入そのものは違法とはされませんが、法律を犯している犯罪者の手助けをしていることに違いはありません。
さらに、海賊版を購入したり、利用したりすることには次のようなリスクがあります。
海賊版の販売会社に個人情報が知られ、転売や詐欺目的に流用・悪用される可能性がある
海賊版ソフトにはウイルスが意図的に混入されている場合がある
ユーザサポートやアップグレードが(当然ながら)受けられない
正常に動作する保証がない

(3)ライセンス違反となる違法行為

著作権侵害ではありませんが、たとえ正規版であっても、次の行為はライセンス違反として違法と見なされます。
ボリュームライセンスで購入したソフトウェアライセンスの個別販売
ウイルス対策ソフトの(ライセンス数を超えた)共有
以前のユーザ登録が抹消されていない中古ソフトの利用

<関連リンク>
外部へリンクファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会