2.1 コンピュータウイルス、およびその感染によるリスク
「コンピュータウイルス」(以降、「ウイルス」と略)とは、コンピュータに何らかの不正な動作をさせるプログラムです。
現在のウイルスの多くは、感染してもコンピュータ自体は正常に動作しているように見えているため、利用者が感染に気付きにくいものになってきています。それは現在のウイルスが次のような目的を持っているためです。
(1)個人情報を盗み出す
「個人情報を盗み出す」とは、感染したウイルスにより、コンピュータ上に保存されている情報(データ)が勝手に送信されたり、キーボード入力を盗み見されたりすること等をいいます。ウイルスにより個人情報が盗まれると、以下のような被害を受ける可能性があります。
- ●盗まれたクレジットカード情報で勝手に買い物をされる
- ●盗まれたオークションサイトのIDとパスワードがオークション詐欺に悪用される
- ●オンラインバンキングで預金を盗みとられる
- ●自分のふりをして勝手にオンライントレード(株の売買など)が行われる
- ●自分のメールソフトに保存されたメールアドレスが流出することでメールをやり取りしている友人などが迷惑メールの送付対象になる
- ●自分のホームページが改ざんされて閲覧者にウイルスを感染させる「危険なホームページ」にされてしまう、など
(2)第三者への攻撃の踏み台にする
「踏み台」とは、気づかないうちに不正侵入されて乗っ取られ、他サイトへの侵入や攻撃、迷惑メール配信の中継地点に利用されているコンピュータをいいます。踏み台に使われると、知らない間にあなたのパソコンが様々な犯罪に利用され、結果としてあなたが捜査の対象となる可能性があります。場合によっては、管理責任を問われる可能性もあります。
これらの目的を果たすためには可能な限り利用者に気づかれないようにしたほうがよいため、ウイルスはこっそり感染し、こっそり悪事を働くのです。