1.1 迷惑メールとは(定義)

迷惑メール」とは、受け取りを望まない電子メールのことです。受信することを同意・承諾していないのに送信されたり、受信者が受け取りを拒否しても引き続き送信されたりします。簡単に言えば、郵便のダイレクトメールやセールスの電話の電子メール版です。また「スパムメール」と呼ばれることもあります。

迷惑メールにはいくつかの種類があり、ウイルス感染や詐欺目的など明確な悪意を込めて送られてくるものや、商品の売り込みや宣伝、勧誘といった商行為に繋がる内容のもの(広告・宣伝メール)があります。

内部へリンク(1)主な迷惑メール
内部へリンク(2)日本の法律における迷惑メール

(1)主な迷惑メール

主な迷惑メールとして次のようなものがあります。

1)ウイルス感染を目的とするもの
メールに添付されたファイルを開くとウイルスに感染してしまったり、メールに書かれたURLにアクセスするとウイルスに感染してしまったりします。
2)個人情報を盗み出すことを目的とするもの(フィッシング)
正規のショッピングサイトや銀行などを騙(かた)ったメールで、本物のホームページとそっくりな偽のホームページに誘導し、そこでクレジットカード情報やパスワードなどの個人情報を入力させることで、それらの情報を盗み出します。このような手口を一般的に「フィッシング詐欺」と呼びます。
3)詐欺目的のもの
実際には利用していない、身に覚えのない架空の有料コンテンツの利用料・情報料などを請求しお金を払わせようとする「架空請求メール」や、ホームページに誘導した後でページ内のリンクをクリックさせ、あたかもそのホームページのコンテンツを利用したり入会したりしたことにして不正に利用料を請求しお金を払わせようとする「クリック詐欺メール」等があります。
4)商品の広告・宣伝を目的とするもの
出会い系・アダルト系のホームページへの勧誘や、商品の宣伝販売など、一方的に大量無差別に送付される本人が望んでいないメールです。
5)チェーンメール、デマメール
複数の人に宛ててメールを転送するよう指示する「チェーンメール」や、嘘のウイルス対策方法を説明した「デマメール」など、メールを受け取った人を慌てさせたり恐怖心をあおったりすることを目的としている迷惑メールです。
6)その他
送信者情報や経路情報が偽装されている「なりすましメール」、メールを送りエラーとならないかによってアドレスの存在確認等を目的として送信される「空メール」などがあります。

(2)日本の法律における規制

迷惑メールの規制に関する日本の法律としては「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」と「特定商取引に関する法律」があります。

これらの法律による規制内容は主に次のようなものです。

  • 広告・宣伝メールを送信することに対して同意した受信者以外に送信してはならない(オプトイン)
  • 広告・宣伝メールの受信拒否を通知した者に対して送信してはならない(オプトアウト)
  • 広告・宣伝メールには取扱業者の所在地などの連絡先を明示しなければならない

ただし、同意した受信者以外に送信してはならないというオプトイン規制は、次のような例外があります。

  • 送信者・送信委託者にメールアドレスを知らせた場合(名刺交換含む)
  • 電子メールを手段とする広告・宣伝を行う者と取引関係にある場合
  • 自らのメールアドレスを公表している団体、営業を営む個人の場合

なお、「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」は、特定電子メール法、特定電子メール送信適正化法、特電法とも呼ばれています。また特定商取引法は特商法とも呼ばれています。

外部へリンク「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」条文
外部へリンク総務省による「迷惑メール対策」のページ

外部へリンク「特定商取引に関する法律」条文
外部へリンク経済産業省による特定商取引に関する「消費生活安心ガイド」のページ