1.2 迷惑メールが届くしくみ (迷惑メールはどうして届くの?)

一般的に迷惑メールは、「アドレス収集者」が何らかの方法で収集したメールアドレスのリストを、「迷惑メール送信者」が(多くの場合、有料で)手に入れ、そのリストに基づいて送信されます。これはダイレクトメールにおける「(いわゆる)名簿屋」と「ダイレクトメール送信業者」の関係と同じです。(「アドレス収集者」と「迷惑メール送信者」が同一である場合もあります。)

このように、迷惑メールが送られて来たからといって、必ずしも自分のメールアドレスなどの個人情報がショッピングサイトやプロバイダなどの第三者から漏えいしたとは限らないのです。

なお、自分のメールアドレスが「To:」にも「cc:」にも入っていない迷惑メールが届く場合があります。これは、自分のメールアドレスが「Bcc:」で指定されて送信されているためです。「Bcc:」で指定されたメールアドレスは、受信メールのヘッダーに表示されません。

内部へリンク(1)アドレス収集者によるメールアドレス収集方法
内部へリンク(2)第三者からのメールアドレス漏えい
内部へリンク(3)その他のケース



(1)アドレス収集者によるメールアドレス収集方法

「アドレス収集者」がメールアドレスを収集する方法には、以下に示すようにいくつかの方法があります。これにより迷惑メールが送付されます。

1)ランダムに作成
メールアドレスは基本的にアルファベットや数字などの単純な並びに過ぎないので、辞書などを使ってメールアドレスの一覧を生成することは比較的簡単にできてしまいます。そのため、誰にも教えていないメールアドレスにも迷惑メールが送られてくることがあるのです。
2)ブログや掲示板などから収集
ブログへのコメントや掲示板への書き込みなどの際にメールアドレスを書き込んでしまい、本人の意図の有無にかかわらず、アドレスが公開されてしまっている場合があります。「アドレス収集者」はこのような情報を収集しています。
3)ウイルスによる収集
自分もしくはメールを送信したことのある相手のパソコンがウイルスに感染し、そのウイルスがパソコン内に保存されているメールアドレスを盗み出し、アドレス収集者に送信します。ウイルスによっては、盗み出したアドレスに対して直接迷惑メールを送信する場合もあります。
4)悪意のあるサイトによる収集
偽懸賞サイトやメール転送サービスなどの一見、問題のないサービスを行っているように見える悪意のあるサイトにおいて、利用者が入力してしまったメールアドレスなどの個人情報を収集します。個人情報を入力する前に、そのサイトの運営母体が信頼できるかどうか確認することが必要です。まず会社情報が掲載されていないようなサイトは信頼できません。またサイトを運営している会社の名前(例えば、「株式会社○○」など)を検索キーワードとして検索すると、その会社の評判、すなわち信頼の度合いがある程度わかります。

(2)第三者からのメールアドレス漏えい

第三者からメールアドレスが漏えいして迷惑メールが送付されるケースもあります。漏えいしてしまうケースとして、次のような原因が考えられます。

  • 1)個人情報を保存しているサーバが何者かに侵入された
  • 2)個人情報を管理している業者内の内部犯行

(3)その他のケース

他にも迷惑メールが送られてくる原因として、次のようなものが考えられます。

  • 1)懸賞の応募や何らかの入会手続きの際に、メールの受信を了解(オプトイン)していたことを忘れていた
  • 2)懸賞の応募や何らかの入会手続きの際に、メールの受信を標準で了解する設定になっていたことに気付かずにそのまま手続きしてしまっていた
  • 3)オプトイン規制が施行される前、明確な受信拒否(オプトアウト)をせずにいたのが、そのままになっている