4.6 ウイルス対策に対する誤解

ウイルス対策ソフトのインストールをはじめとするウイルス対策に対してありがちな誤解を、以下で説明します。

誤解1)軽いウイルス対策ソフトが良い、またはウイルス対策ソフトをインストールするとパソコンが遅くなるのでインストールしない
ウイルス対策ソフトをインストールしただけで動作が遅くなるような場合は、ほとんどの場合、メモリが不足しているだけと考えられます。メモリを増設しましょう。現在、メモリは安価になっており、数千円程度の投資で、ウイルス対策ソフトの重さをさほど感じないレベルに改善してくれます。

メモリの増設については「2.5 ウイルス感染の対策手順」を参照してください。
誤解2)体験版のウイルス対策ソフトで充分
いわゆる「フリーのウイルス対策ソフト」と呼ばれている、実際は機能が限定された体験版のウイルス対策ソフトは、多くの場合、パーソナルファイヤーウォール機能が制限され、ホームページ(Web)経由の感染を防ぐために効果的な「Webレピュテーション」機能を有していないものがあります。近年のウイルス感染はホームページ(Web)経由のものが主流であるため、これではセキュリティ対策として充分な役目を果たしているとはいえません。

「Webレピュテーション」機能の詳細については「4.5 ウイルス対策ソフトを選ぶときのポイント」を参照してください。
誤解3)感染後にウイルス対策ソフトを入れても駆除できる
ウイルス対策ソフトには駆除機能もありますが、本来は感染を防ぐためのソフトウェアです。また、感染した状態のパソコンにインストールしても、そのパソコン自体が本来あるべき正常な状態でない以上、駆除機能が正常に動作する保証は全くありません。ウイルス対策ソフトをあらかじめインストールしておき、常時保護をかけることが重要です。
誤解4)プロバイダのウイルス対策サービスを契約しているから大丈夫
契約しただけで守られていると勘違いしているケースが多くあります。プロバイダやアクセス回線提供会社が提供するウイルス対策サービスには、プロバイダが設定するのみでよいものと利用者がパソコンにインストール(導入)する必要があるものと大きく分けて2種類が存在します。

ウイルス対策ソフトを月額で提供するサービスは、後者のインストール(導入)が必要なサービスですが、料金を払っているのみでインストール(導入)されていないため感染したというケースが多く存在します
誤解5)プロバイダのメールチェックサービスで大丈夫
メールチェックサービスを利用することでメール経由での感染は防ぐことができますが、ホームページ(Web)経由の感染など他の感染経路からの感染を防ぐことは不可能です。利用者のパソコンにウイルス対策ソフトを導入するといったセキュリティ対策が必要です
誤解6)ルータを導入しているのでウイルス対策ソフトをはじめとするセキュリティソフトは不要
ブロードバンドルータのファイアウォール機能で防げるのは、主に外部からパソコンに対する直接的な攻撃のみであり、利用者がルータの内側から外部の危険なホームページに接続することで感染するホームページ(Web)経由の感染やUSBメモリを介した感染などを防ぐことはできません。